近くて遠い距離
「奈央・・・」

「ごめんね、彩。
私が彩の気持ちに気付いていれば、龍と付き合う事もなかったんでしょ?
ごめんね、本当に・・・。

翼くんにはちゃんと言うから!
それで・・・恋人のフリはやめて貰う。
それなら、いい?
彩はそれで・・・いい?」

彩は答えなかったけど・・・僅かに頷く姿が見えた。

「ごめんね、彩。
イヤな想い、いっぱいさせてたんだね・・・。
ごめんね、ごめんね・・・」

それ以上、何も言えなくて。

私は学校を飛び出した。
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