近くて遠い距離

一人、その場に残された私は
呆然と立ち尽くしていた。

『龍ちゃん』って呼んじゃダメなんだ。
じゃあ、私は何て呼べばいいの・・・？




どの位その場にいたんだろう。
買い物を済ませた母親が近寄って来た。


「奈央ったら、こんなとこでボーっとして！
ほら、家に入るよ？」