近くて遠い距離
「は・・・?」

一瞬、目が点になる俺。
そこへ追い討ちをかけるように、翼が続ける。

「奈央と俺は恋人同士のフリ!
全然付き合ってなんかない!
そーしてくれって俺が頼んだんだ、奈央に・・・」

「どーゆー事だよっ!?」

俺の怒りはMAXに。
翼、お前、訳分かんねーぞ!

「奈央にはちゃんと好きなヤツがいるんだよ!
8年も思い続けてる、幼なじみの男が!」

「・・・・・・?」

「引越した時から世話してくれた、すぐ傍に住むヤツ。
小・中・高とずっと一緒で、古風で一本芯が通ってて、ムダにカッコイイヤツ。
ずっと剣道一筋で頑固者で、大バカヤローなヤツ!」
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