近くて遠い距離

「集まったはいいけど、何すんのよねぇ～？」

彩が呟く。

「取り敢えず、自己紹介でもする？
俺は間宮 龍之介。よろしく」

「よろしく、間宮くん。
私は御木本 彩。彩って呼んで」

間宮くん・・・
彩が『間宮くん』と言ったから
私もそれに倣（なら）うことにした。

「私は水谷 奈央。
よろしく、間宮くん、翼くん、彩」

一瞬、龍ちゃんの表情が曇った気がした。

「俺は森本 翼。翼でいいから。
よろしく間宮くんに彩ちゃん。
奈央ちゃんは別に挨拶いいよな？（笑）」

すると「翼くんて奈央と仲いいよね～♪」と彩が言う。

「いいよ～♪」

翼くんは満面の笑みだ。


龍ちゃんはずっと黙ってた。
すると翼くんが

「間宮くん、って呼ぶより龍の方が良くない？
龍って呼んでもいいかな？」

「ああ、いいよ」

やっと龍ちゃんの顔に笑顔が戻った。