近くて遠い距離
そんなアイツと初めて出会ったのは小2の春。

父親の転勤で引っ越してきた私は、新しい環境に溶け込めず軽くパニック。
転入したのはいいけれど、クラスは1年の時からの持ち上がりで、既に交友関係が出来上がってしまっていた。
なかなか最初の一歩が踏み出せない私に、優しく手を差し延べてくれたのが龍ちゃんだった。

龍ちゃん――

そう、
その時から私は彼の事を、
そう呼んでいた。
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