アイのうた
プロローグ
岬先生へ。

初めてお手紙書きます。

最初に言っておきたいんだけど、この手紙を先生のおうちに送るつもりはありません。

だって、先生が読んでくれなきゃ意味ないもん。

先生はもう居ないのに、手紙を送ったってムダでしょ?

だから、この手紙を書き終わったら、机の引き出しの中にしまっておこうと思うんだ。

しまったら、もう私は二度とこの手紙を開くことはないと思う。だって、読み返したら、きっと辛くなっちゃうから。

「じゃあ、何でこの手紙を書くんだ?」って、そう思うでしょ?

それはね、気持ちの整理をしたいから。

先生との思い出は楽しいことばっかりだったけど、その分、失うものや傷つくことも多かった。

だから、こうして手紙に書くことで、少しはそういう気持ちが楽になるかなって思ったんだ。

この手紙を最後まで書き終えられたら(たぶん、スゴイ長い手紙になると思う)、私は少し前進できるような気がする。

だから先生、それまで私のこと見守っててね。^^


世界中の誰よりも先生が大好きだよ! 優衣
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