朝月探偵の日常
「まぁ今どき探偵なんて職でまともにやれるわけねぇよ。とりあえず一人で自由だし時間に縛られないし、なにより探偵って響きがかっこいいだろ?俺がこんな職続ける理由なんてそんなもんだよ。」
…いつかどこかのバーで酔っ払いながらマスターにこんなことを言っていた気がする。
その通りなのだが。
自由な職に憧れて、特に考えもせず探偵事務所を開いた。
それ以来金銭面で何度か苦労することもあったが、今日までなんとか仕事になっている。
「まぁ最近はこうして仕事もちょくちょく入ってくるし。なんの問題もねぇや。」
今回の依頼者からの手紙を手に取りながら、限りなくポジティブな独り言を呟くと、ドアを開けて外へと歩き出す。