スゴロク!

4マス目

バチンッ!

私は頭の中が真っ白になって、とにかく恥ずかしさに動転しまくり。
とりあえずロバートさんにビンタして、玄関に走った。
「ご、ごちそうさまでした!」
「おい!ちょっと待て、マイガール!…ったく…『ごめんなさい』じゃなくて『ごちそうさま』かよ…」

ロバートさんの部屋から飛び出した私は、本来ならお礼をしなきゃいけない人にビンタをしてしまったことに、反省と後悔を感じながら歩いた。
もーダメだ…。次ロバートさんに合わせる顔が無い…。着替えをしてもらったという事実が恥ずかしいのと、下着姿だろうけど、見られたのが恥ずかしいのと、テンパって意味不明な失礼をしたのが恥ずかしいのと…
編集長に連絡してこの取材から降ろしてもらおう。
もう無理…。
「…あ、もしもし、編集長?深海です。あの…今度の取材のことですけど…」
「おう!さすがだなマイガール!良い出来じゃねーかよ!まさか初日でこんな体張ったオイシいネタ作るとは!早速来週号に載せるからよ!」
「え?あの…え?」
「まぁ今日はゆっくり休めや、じゃ!」
「えぇ?ちょ!編集長ッ!?もしもしッ!?」
オイシいネタ…?
私はただ無名の若手芸人に飲まされて酔わされて記憶無くしてロバートさんに救助されて…
何もしてない!
記事を書くどころか、ネタの取材すらしてない!
一体どーゆーこと?
…酔って、ロバートさんに救助されて…
その間の記憶が無い!
私はいつどこでロバートさんに確保されたのッ!?
とにかく事実確認が最優先!…でも、今更部屋に戻って話もできないし…
よし!会社に行って、その謎の記事とやらを確認しよう!
私はくるりと振り返り、車道に向かって勢いよく手を挙げた。


「…ん~、マイガールのやつ戻ってくるかな?あいつの家は知らないし、まぁ会社に置いとけば大丈夫だな、このバッグ…」
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