【詩リレー集】溜まった書留

『瀬戸際』





この身を母なる海へ
また一歩踏み出す
きっと暖かく優しく出迎えてくれる
また一歩踏み出す

じゃらっと小石が落ちる
僕もまた同じように
この身は海のひとつになる

遥かな海を見下ろした
僕の行方を想像した

僕は一人だった

母なる海で人間が一人
陸の独りから逃げてきた
その瀬戸際で僕は
"ひとり"を嫌った




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