おかしなあなた
「???」
わたしはあまりのことにきょとんとしてると
「ぶってんじゃないわよ。あなた碧とヤッてたんでしょ?も―ほんとあいつ仕方ないんだから。」

アイツ…?
「わたしは碧の彼女でナナって言います。あなたが碧とヤッてるのは知ってたけど、まぁ碧は若い娘好きだから黙ってたのよ」

頭が回らない。言ってることが理解できない。

「わたし碧くんと4年も付き合ってて…」

「あなたは、4年間浮気相手だったの。わたしと碧はもう付き合って7年、今年結婚するの」
一気にまくしたてられる。
「あのね、かわいそうかもしれないけど碧は本気じゃなかったはずよ。碧に好きって言われたことある?」

そういえばわたし好きって言われたことはない。
「でもクリスマスも誕生日もわたしと過ごしてくれて―…」

「それはわたしの仕事が飲食店だからそういう日はわたし休めないのよ。」

わたしが今にも泣きそうな顔をしてると、彼女はもっと泣きそうな顔をして言った。

「碧が浮気するのなんて嫌だったし、問い詰めて責めてやろうと思った。」
とさっき叩いたわたしの頬をさすりながら彼女はこう言った
「でもできなかった。」
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