おかしなあなた
「―…とまぁ色々ありまして」
所々割愛しながら恵に話す。
話してる間わたしは不自然に無表情だったと思う。
人間あまりにもショックが大きいと固まってしまうものだ。


「―…ゥッ」
恵がポロポロ泣いている。
「そんなの…そんなの…愛が悪者になるしかないじゃん」


そう悲劇のヒロインはナナさん、恋人を女子高生に寝とられかけた病のある女性。
さしずめわたしはその当てつけ役の能天気で小悪魔な女子高生だろうか。
'浮気相手はわたし'
この事実に開き直れるほどわたしは大人じゃない。

「恵―…泣かないでよぉ―…」
そう言って顔をあげた瞬間、あいつと目があった。


なんでいんの!?
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