おかしなあなた
それから二人は快楽を共有するようになった。
あなたが家に家庭教師として来る度に今日こそばれるんじゃないかとヒヤヒヤしたけど
あなたはあくまで冷静に、そしてしたたかにわたしを求めた。わたしがあなたに囚われているのを知っていたくせに。

家庭教師として来ていたのにその時間はいつも別のお勉強をしていたため、わたしの成績はよくならなかった。
がんばらないとあなたが来れなくなるとわたしはそれ以外の時間に猛勉強した。
今考えるとほんと矛盾してたと思う。

そのおかげでわたしは無事高校に合格、あなたも大学卒業ということでついにお別れの時がやってきた。
そう、あなたは最後までわたしに「好き」とは言わなかった。
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