カベの向こうの女の子

綺麗…ではないけど、まぁ男一人暮しにしてはマシなほうだと思う



散らかっているのが他人に見られるのが恥ずかしい…、とゆうか嫌だと思ったのは生まれて初めてだった



友達も今までの彼女も家に上げる時はあんまり気にしたことなかった



そんなこと考えながら、俺はソファーに腰をかけてリモコンに手を伸ばす



赤いボタンを押すと、パチッという音とともに画面に光があふれだす



適当に一通りチャンネルを回してから、一番盛り上がってそうな番組を選んだ



対してその番組も見ずに、ソファーの背もたれに体を預けて、思い出した




本当はずっと気になってたことだ




好きな人のこと、聞かれたとき本当はどう言えばよかったろう



あれで良かったのか



あからさまにうろたえて、俺の気持ち、バレてないだろうか



…いや、別にいっそバレてもいいか



そのほうが割りきれる




それより告白するチャンスだったよな



神八のこと聞いたあとで余裕は無かったにしろ…



言ってたら―…?



今頃どうなってただろうな


…春菜と付き合えた、のか



正直、自信ない



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