カベの向こうの女の子
ロングヘアーは今度は布団を敷きながら言った
「熱あるなら、早く言ってよ。無理してたの?」
俺は項垂れた
返事する気も起きない
てゆうか、意識が朦朧としていて、ロングヘアーが何を行っているのか聞き取ることすら辛くなっていた
視界がぼやけて、ふらふらする
頭が重いし、体が痛い
俺はロングヘアーに言われるがまま、布団に入って横になった
情けないと思う
ロングヘアーに世話されるなんて、すっごい悔しい
布団の中に入っても、まだ寒いと感じた
寝返りをすると、衣類が体に擦れてまた悪寒がする
「もう、帰れよ…」
「涙目で何言ってんの?」
ロングヘアーは俺にそう言って、側にしゃがんだ
「薬とかないの?氷枕は?」
長い髪が、俺の近くで、さらりと垂れる
俺は諦めて、ロングヘアーに呟いた
「薬は、そこの棚の中…。氷枕は、ない」
それから惨めながら、ロングヘアーが即席の氷枕を作ってくれ、薬も飲んだ
そのおかげで、少しマシになる