カベの向こうの女の子
「違うんじゃねぇの?…教師が生徒に手出すなんて、漫画じゃねぇんだから。馬鹿馬鹿しい」
「手、出してるなんて言ってない。好きなだけ」
「なんの根拠もないくせに…」
「根拠…?そういうのって、根拠なんてなくてもわかるでしょう。あなたは学校にいないからわかんないのよ」
痛いところをちょうどグサリと刺された
俺は顔が強張った
「もう、どうでもいいから、帰ってくれ」
俺はほとほと嫌気がさした声で言った
もうこれ以上話を聞きたくなかった
俺は寝返りをうって、ロングヘアーに背を向けた
「でも、言った通り、漫画じゃないんだから、先生は春菜に何もしないよ。卒業するまでね」
ロングヘアーは俺の言葉をまるで無視した
俺はイライラして頭が熱くなってくる
何も言わない俺にロングヘアーはまた声をかけてきた
本当にいい根性してるとある意味、感心すらしてくる
「今まで色々ごめん。須釜のことで見直したよ」
俺は彼女に背を向けたまま、目をつむる
薬が効いてきたのか、少し眠くなってきた
「それは、どうも。だったら、俺の邪魔すんなよな。もうほっといてくれ」