カベの向こうの女の子
半信半疑
「信じてないんだってね」
ロングヘアーは現れるなり、そう言ってきた
なんのことだかは、すぐにわかった
「信じるわけねーっつの」
春菜とロングヘアーについて話してから、頭にきて電話をかけた
何が本当で何をしたいんだか、説明させようとしたのに、ロングヘアーは電話では話さなかった
その代わり、今日会うことになった
指定された場所は高校の近くの公園
初めてきたけど、もう夕方だからか俺とロングヘアー以外の人はいなかった
公園は遊具がけっこう充実していて、わりと広い
とりあえずロングヘアーがベンチに座ったから、俺はその前に立っていた
ロングヘアーは俺を見上げて口を開けた
「なんで?」
「なんでって…。どうせ邪魔するためだろ。本当やめてくれよ。女だからって、俺、まじでいい加減キレそうなんだよ」
「あなた人間不信…?」
「お前だからだっつの」
あまりにロングヘアーが悪気なく言うから、思わず眉間にシワが寄る
それでも全然怯まないのが、またすごい