カベの向こうの女の子

半信半疑




「信じてないんだってね」


ロングヘアーは現れるなり、そう言ってきた



なんのことだかは、すぐにわかった



「信じるわけねーっつの」


春菜とロングヘアーについて話してから、頭にきて電話をかけた



何が本当で何をしたいんだか、説明させようとしたのに、ロングヘアーは電話では話さなかった



その代わり、今日会うことになった



指定された場所は高校の近くの公園



初めてきたけど、もう夕方だからか俺とロングヘアー以外の人はいなかった



公園は遊具がけっこう充実していて、わりと広い




とりあえずロングヘアーがベンチに座ったから、俺はその前に立っていた



ロングヘアーは俺を見上げて口を開けた



「なんで?」



「なんでって…。どうせ邪魔するためだろ。本当やめてくれよ。女だからって、俺、まじでいい加減キレそうなんだよ」



「あなた人間不信…?」



「お前だからだっつの」



あまりにロングヘアーが悪気なく言うから、思わず眉間にシワが寄る



それでも全然怯まないのが、またすごい



< 157 / 219 >

この作品をシェア

pagetop