カベの向こうの女の子
俺はたまらず、沈黙を破った
「ふ、2人、兄妹?」
2人は同じくりっとした目で頷いた
「でもなんで、春菜が波さんと?」
千秋が俺と春菜を交互に見て言う
目には困惑した様子が見てとれた
春菜も同じ動作をした
「え、え、お兄ちゃん、波くんと知り合いなの?てゆうか、こんなとこでどうしたの?」
「波くん!?…おれは、春菜が誕生日だからケーキ買いに…。春菜こそなんで」
「あたしもケーキ買いに来たの」
「2人で?」
「うん、そうだけど…」
俺を間に挟んで、兄妹2人は会話を繰り広げている
2人とも当惑気味だけど、一番混乱してるのは、俺じゃないか
だって、千秋の妹が春菜!?
んで、春菜の兄貴が千秋!?
2人で目を見合わせて会話をしていた千秋と春菜が、同時に俺のほうへ向いた
そして同時に言った
「お兄ちゃんと知り合い?」
「春菜と知り合いっスか?」