カベの向こうの女の子
そしてそして事態は急展開…
訳がわからないまま、春菜(千秋)の家のリビングでケーキを食べることになった
何故だかよくわからないけど、亮太も春菜と千秋の家に来た
夕方からろうそくに火をつけて、春菜がそれをふーっと消す
千秋が台所から包丁を持ってきて、ホールケーキを切りながら言った
「まさかっスね〜。春菜と波さんが知り合いだったなんて。まじびっくりしました」
「あたしも驚いた!お兄ちゃんと波くん友達だったんだね」
千秋と春菜はもう状況は呑み込んで、すっかり和んでいる
亮太も別に平然としていた
「いや、こっちのがびっくりだっつの。お前ら兄妹なんて…。亮太知ってた?」
亮太は無表情のまま、頷いた
「ああ、春菜ちゃんに会ったことあったから」
「うわ、まじかよ」
世間は狭すぎる
俺は頭で皮肉を呟いた
そして圧倒された
千秋はそれぞれの皿にケーキをのせていく
それから千秋は、自分のケーキの上の苺を、春菜のケーキの上にのせた
「わーい、ありがとう」