カベの向こうの女の子
千秋はそれを聞いて、顔をしかめた
そして、フォークの先を春菜に向ける
「破ったは破ったんだよ。だいたい理由だって、体調悪くて休んでるとしか言わなかっただろ。ちゃんと誰といるとか伝えろっつーの」
偉そうな千秋を見て、俺は呆気にとられてしまった
俺や亮太といるときは、こんな態度見せたことがない
どちらかと言うと、偉そうにされるほうだった
春菜は仕方無さそうに返事をした
「はいはい、もう、お兄ちゃんは厳しいんだから」
俺はそんな光景を見つつ、亮太に耳打ちをした
「千秋って春菜の前じゃ、こんななのか?」
亮太も小さく言った
「そう、妹の前だとすげー偉そうだよな。多分、ちょっとシスコン…っぽい所ある」
俺らが話している間、兄妹で言い合っていたが、突然春菜が俺に顔を向けた
俺は慌てて口を塞ぐ
「ねぇ、なんで同い年なのに、お兄ちゃん敬語なの?」