カベの向こうの女の子
「親に理由話せばさ、わかってくれるんじゃね?少し休むって言ってさ」
俺は必死になった
自分でも驚くくらい。
この俺の偽善が見透かされそうでドギマギした
彼女は少し迷ったみたいだったが
「電話してみる」
と言った
俺は安心してため息がでた
彼女は言った通り電話し始めた
俺のことはどう言うだろうと緊張したが
"体調悪いから少し休んで帰る"というようなことしか言わなかった
それから、少し話してから切った
「お母さんだったから、大丈夫だったぁ。だけど、本当にいいの?」
俺は思いの外、上手くいって嬉しくなった
それに彼女と2人だけの時間にワクワクした
「全然いいから」
いいも何も、頼むほど休んでいってほしい
「ありがとう」