カベの向こうの女の子
世界の終わり
完全に嫌われた
状況は、まさに一変した
春菜からは、電話もメールも返ってこなくなった
恐ろしいくらいの後悔に、見舞われて寝込むくらいだった
でも春菜を恨んだりはしなかった
だって、俺は春菜が大嫌いな"嘘をつく"というタブーを犯し、その上本当は誘拐したなんて
嫌われて当然だった
むしろ自分は最低なクソ野郎だと自虐的になった
諦めようかとも思うけど、あの眩しい笑顔が頭から離れなかった
春菜は優しいから、いつか連絡が来るんじゃないかと期待してる自分もいた
でもあれから1ヶ月程…
連絡もないから、会ってもいない
会いたいけど、春菜はきっと俺を軽蔑している
春菜の軽蔑した目なんか耐えられなくて、実は会うのは少し怖い
でもこのまま終わるのは、嫌だと無性に感じられずにはいられなかった