カベの向こうの女の子

それからなんとなくたまに朝少し早めに家から出た



あの2人組はいつもその"俺がちょっと早めに出る時間"にあの道を通るらしい




毎回その時間はどうしてもあの子が気になる



つい見てしまう




恋に落ちるとはよくいったもんだ




自分でも無意識のうちに



どんどん深く沈んでいく




何回か見ているうちに


さすがの俺も少しわかってきた



だけど少しズレていた



"俺って本当はショートが好きなのかも "




なんて、下らない誰も興味ないような疑惑を自分に抱いていた



今思えば、馬鹿にもほどがある



馬鹿というか鈍感



このことを誰にも言わなくてよかった



いや、言って指摘してもらうべきだったのかもな




まぁでも、俺がこのままずっと勘違いしてれば




誘拐なんてしなくて済んだんだ




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