カベの向こうの女の子
そんな質問しなくていいのに



俺は優を横目に見た



すると大きくため息を吐いてみせている




「小学生から相当悪ガキでね。同級生と喧嘩するのは毎日だし、それどころか中学生とも喧嘩してたわ。いっつもどっかに傷があってね」




春菜は頷きながら聞いている




「中学生になったらなったで、先輩と喧嘩しまくって…教師にも容赦ないし。家の前でヤンキーがよく待ち伏せしてたわ。その上女にまで恨まれて包丁渡されたことも…」





「おい!」



俺はたまりかねて優を話を遮った



どこまで俺の評価下げれば気がすむんだ



今のじゃ本当に最低野郎じゃねーか



春菜は今の話しに驚いてるように見えた



だから俺はすぐに訂正した



「今の冗談だから!嘘」



春菜は俺をみて首を傾げた



「そうなの?」




「なにいってんの?嘘なんて言ってな…」



俺は慌てて優の口をふさいだ



確かに本当のことだが


これ以上悪い印象ついてたまるか




「あ、時間、そろそろ春菜、門限だよな?」



「え、本当だ!帰らなきゃ」




春菜は腕時計を見てそう言った



ちょうど7時前だ



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