カベの向こうの女の子

多分…


多分だけど



彼女は俺と違う普通の子だったから




髪の毛が金髪でいかにも悪そうな俺とは、到底並ぶことなんてないような人だから




俺は一枚壁を隔てた世界を見ている気分になってた



なんていうか、わかりやすく言うと漫画の世界みたいな



絶対踏み込めない、ふわふわした向こう




俺は俺と似たタイプの女と関わったことしかなかったし



俺が好みと信じていたのはそういう


派手な化粧の濃い豹柄の服とかきちゃうギャル


だって思ってた



髪だってロングが好きだった






その薄いような厚いような見えない壁を砕いて踏み込んできたのは




あっちのほうだった




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