カベの向こうの女の子
優は腹を抱えて爆笑している


俺は全然笑えなかった



優が部屋にいて終始ひやひやしていたのに



てゆうか、気づいてるなら…



「じゃあ、なんで俺の評価下がるようなこと言ったんだよ!」




「試してみたの。そしたらあんた必死なんだもん」




俺は悔しさと恥ずかしさで拳を握った



全部、優にとったら遊び半分…、いや、遊びだったわけ



俺は自分が馬鹿馬鹿しく思えた





「でもあの子もよくあんたみたいな奴の部屋に、のこのこ入ってきたわね」




「信用されてんの!」




「まだ会って2回目でしょ。ちょっとあの子変わってるみたいね」




優は俺の言葉は見事にシカトして、そう言った



確かにそのとおり



春菜の性格もお見通しってわけ



そういうことに関しては、すげーよ、本当




俺はなんも言い返せなかった



「あんた次の約束してんの?」




「は?」




「もしかして今日っきり?」




そう言われて俺はなんのことか、ピンと来なかった


優は呆れたように俺を見た


「やっぱりあんた馬鹿ね。お礼したからあっちはもうあんたに用事なんてないわよ」



「あ」



俺はようやく優が言わんとしてることがわかった



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