カベの向こうの女の子
俺が春菜に会いにきた





春菜は俺の会いたがる理由をよくきく




本当は、春菜は俺と会うのが…嫌?



それでこいつらに言った―…?









急いで急いで答えを探す




ぐるぐる回る頭の中で




整理すればするほど



いやな予感がして




寒い風のせいで鼻の頭がつーんとする




そのせいで集中が切れてしまった



遠ざかっていた現実の、話し声や部活のかけ声がまた大きくなってくる




それに聞きなれた足音が




あの固いコンクリートにローファーが擦れる



走りにくそうな特徴的な音が




近づいてくる





春菜が少し息を荒くして、校門の前で止まった



「ごめん!…あれ?」



春菜も様子の異変に気づいたらしく、不思議そうにこっちを見た



女子高生3人と教師は春菜のほうを振り返る




「春菜…」



「どうしたの?先生まで!」




春菜は驚いてるようだった




女子高生3人は春菜に答えない



春菜は顔をしかめつつ、俺を見た



俺は自分でもわかるくらい顔が歪んだ




それを見て、珍しく春菜の勘が冴えた



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