カベの向こうの女の子
春菜は気づいたような顔をしてから、眉間にシワを寄せた
「何か変なこと、言ったの?」
これは俺に向けてじゃなく、女子高生3人に言っていた
「だって、春菜が心配だから」
「だから、この人はあたしを助けてくれたんだってば!なんで疑うの?」
なんとなく事態はつかめた
なるほど
こうなることを春菜は知らなかったんだ
ってことは、春菜は俺に会うのを嫌がってない
話からして
「本当…なんだ」
1人がそう呟くと、春菜は頷いた
「うん、心配しないで!すっごい優しいんだよ」
俺はそれを言われて、本当に漫画の擬音みたいに胸がドキュンとした
俺にはそれが聞こえた気がする
女子高生3人は納得していないような不満な顔だったが
「藤原がそう言ってるんだから、もういいだろう?」
教師がそう言って、4人は学校に戻っていった
はじめは教師がいて
意味がわからなかったが
冷静で話はわかりそうなヤツみたいだ
なんとか丸く収まった
春菜は申し訳なさそうに両手を合わせた