カベの向こうの女の子
奇跡的な俺が死んでも絶対忘れない日
その日は久しぶりに暖かくて日中は厚手のジャケットだと少し汗ばむくらいだった
俺は地元の駅前の店にちょっと用があって、バイクを駐車場に止めたんだ
土曜日だからか人がのんびり歩いてる気がした
用を済ませて、俺は店を出た
駐車場まで歩きながら、ポケットに手をいれた
俺は違和感を感じた
入れたはずなのにバイクの鍵がない
他のポケットも全部調べた
だけど、ない
探してるうちに駐車場の自分のバイクまで着いてしまった
俺はバイクを見て、微かな希望も消え失せた
バイクに鍵はついていなかった
自分でとったんだから当たり前だろーが
という突っ込みが自分の頭の中を遮った
このままじゃ帰れないから、俺は鍵をとりあえず探そうと振り返った
まさにその時であった