カベの向こうの女の子
無理な切望
俺はいつもみたいに校門に背をもたれて、春菜を待った
今日は部活の後に会うことにしたから、辺りは真っ暗になっていた
すぐに会って言いたかったから、木曜日まで待てなかった
部活帰りの生徒がまばらにちらほらと俺の前を通っていく
着いたと連絡したし、今度こそ言わなきゃ
今日は教師と女子高生にも絡まれないだろうから
テンパることもないと思う
だから、大丈夫
言える
頭の中でイメージトレーニングもしたし
俺は色々考えながら、頭を壁に委ねて帰っていく生徒を眺めていた
テニスバックを持った女子高生が前を通っていく
多分、もう少しだろ
部活のあとだっていうのに、元気なキャッキャッ高い声が夜の寒い空気に響く
女子高生の会話が左耳から右耳に抜けていく
「それでね、あの2人…」
「えー!絶対そうだよー」
「ねー、副部長と先生、絶対できてるからぁ」
俺は副部長という言葉を聞いて、ロングヘアーを思い出した
もう後ろ姿になった会話していた女子高生を改めて見た
背中にはテニスバック…