カベの向こうの女の子


俺と春菜を邪魔したい



それか、



俺への様子見…



そのどっちかだと思うな




顔を上げたロングヘアーの作り笑いがそれを正解だと言っているようだった



俺はまじで腹立たしくなった




春菜が俺を信じてるからそれでいいはずなのに、第三者が出てくるのはなんでだよ



それに振り回される俺ってなんなんだよ




「とりあえず車乗る?」




「うん」



春菜はそう答えたがロングヘアーは何も言わなかった


春菜とロングヘアーは後ろに座った



だからもちろん助手席は誰もいない



いたとしても幽霊くらいだろう




とりあえず、くそやりにくい状況で車を出発させた



だいたい予想はできたけど、春菜とロングヘアーが話す



しかも盛り上がる




俺の入るすきなんて微塵もない



俺は居心地が悪くて、もういっそのこと帰りたくなった



後ろからロングヘアーがいつでも俺の行動を監視してる気がした




気のせいかもしんないけど、視線を時々感じる




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