カベの向こうの女の子
そのあとも別段、春菜と距離を縮められるはずもなく時間が過ぎていった
ロングヘアーは俺へ向ける表情とは裏腹に、春菜には素直に笑顔を向けていた
ロングヘアーは女だけど春菜の特別で、正直いい気分はしなかった
春菜はばあちゃん家に来たから何をするわけでもなく、ただばあちゃんを交えて雑談している
俺はこののほほんとした雰囲気が似合わない気がした
春菜の笑顔を時々、チラ見して、時々話す
ロングヘアーがいると、自然に一言一言を緊張して言わなくちゃいけない気がする
だからいつも気をはっていた
ロングヘアーは俺の話の内容には一切のってこなかった
潔いほどわかりやすいヤツだ
出前をとって昼を食べて、1日中無意味にのんびりしていた
俺は内心常に気をはってたから、のんびりしているように見えても相当疲れた
そんなこんなで夕方になって、やっと帰ることになった
俺は正直、ほっとした