カベの向こうの女の子
30分突っ立って考えてみたけれど、あまり上手く頭が回らなかった
周りからは怪訝な目で見られたし
いつも脳ミソを使わないで生きてるから、あり得ないくらい疲れた
俺はとりあえず家に帰ることにした
家に帰って時間をかけて考えてみた
考えてみたら…というより、自然に感情が沸いて出た
ふつふつふつふつと
俺は春菜に関わりたいと思った
それに春菜に俺と関わってほしいと思った
これだけで終わり
なんてしたくなんて
彼女のいる日常に飛び込んでみたくなった
ちょっと話しかけられただけで
あれだ
胸が高鳴って、体温はみるみるうちに上がるし
雷に打たれたような錯覚に陥るし
もっと春菜と話したら
今度はどんな、身体的異常が起こるだろう
少し怖いけど
それはあの胸の高鳴りは
あとから思うと、とても心地良い
春菜がいる向こうの世界はどれだけ素晴らしいんだろう
俺はどうしても確かめてみたくなった
その時初めて"好き"と思った