カベの向こうの女の子
もう学生は冬休みに入ったようだけど、また前みたいに誘おうと思わなかった
だって俺のことなんか眼中にないんだ
頭では言い聞かせてるのに、どこかで思ってる
信じたくない
信じたくない
信じたくない
なのに
日に日にその現実が俺を蝕んでいく
俺は目が虚ろなまま布団からでた
休みの日なのに何もやる気がしなかった
脱力感とだるさが襲いかかる
俺は枕の隣にあった携帯の充電器を携帯から抜いた
携帯の画面に目を落とす
メール3件
その中の2件は高校の友達から
あと1件は、春菜だ
俺はドキッとした
内容は年賀状送りたいから住所教えて、だった
春菜からのメールは初めてだった
前なら春菜の律儀さに笑って、嬉しくてニヤニヤしたはずだ
だけど今は笑えなかった
嬉しさの上に悲しさとか悔しさとか、嫌な感情が覆い被さりすぎた
そのせいでまた胸がズキズキした
俺は到底メールを返す気分にならなかった
布団の上に携帯を投げて、また横になった