カベの向こうの女の子
それを見た春菜は頬を膨らませる
「なんで笑うんだよー」
「だって、春菜…明るすぎでしょ」
感情の浮き沈みが激しい俺とは違って、なんで春菜はいつでも明るい?
メールのこともあったのに、嫌な顔1つ見せないんだ
本当に自分が小さく思えて仕方なかった
こんな子の彼氏ってどんな気分なんだろう
春菜の特別ってどれだけ嬉しいんだろう
いつでも明るい春菜は彼氏の前では違う一面もあるのか
考えたくもないのに、頭に常にそのことがあって自然に考えてしまう
なんか、気持ち悪くなってきた
目の前にいる春菜が、俺以外を特別に思うなんて理不尽だけど許せない
こういうのって、いわゆる嫉妬っていうんだな
嫉妬ってなんて意味のない感情なんだ
俺は思った
嫉妬したところで上手くいくわけもないし、ただ自分が苦しいだけで、何の手助けにすらならない
思ったままを口にすれば、相手に嫌われそうで
なんてなんのメリットのない…
だけど胸がムカムカして仕方なかった