君、依存



 「……珪」

 「ん?」

 機嫌が良さそうな珪に
 …私は言えなかった。

 「なんでもない。
 送ってくれてありがとね」

 「うん。じゃあな」

 去っていく車に手を振る

 今日も、言えなかった



 もう私と龍が別れて
 三週間がたっていた

 その日が増えるにつれ
 増していく不安



 どうか
 私の疑り深い性格のせいで
 あって欲しい…

 そう願うしかなかった




< 121 / 159 >

この作品をシェア

pagetop