友達以上恋人未満。
「菜美ー!! おっはよー!!」
教室に入った瞬間、純ちゃんが大声で挨拶してきた。
「おはようっ!!」
あたしは純ちゃんに翔くんのことを言うか迷っていた。
純ちゃんは夏にある吹奏楽のコンクールに向けて頑張って練習している。
難しい曲を演奏するらしくて、練習のことで頭がいっぱいになっているはずだ。
なのに…純ちゃんに相談できない…
「…菜美? ボーっとしてるけど、大丈夫?」
「あっ、ごめん。 大丈夫だよ」
そう言ってあたしは笑ってみせた。