堕ちていく二人
玲子は亜美のメルアドを自分の携帯に入れ、何事もなかったように桂司の携帯をポケットに仕舞った。
お風呂から上がってきた桂司はその事には気付く様子はなく、冷蔵庫から缶ビ−ルを取り出して自分の部屋に入った。
玲子は亜美がどんな女なのか想像し、これからどうしてやろうかと考えニヤリと薄ら笑いを浮かべた。
月曜日の朝、桂司はいつもの時間に仕事へ行った。
玲子は亜美という見知らぬ女にメールを出してみた。
『初めまして。
私は貴女が付き合っている桂司の妻です。
一度会って話しがしたいので時間を取って下さい』
すると、しばらくして返信が来た。
『分かりました。
これからお宅へ行きます』
玲子は以外な反応に少し驚いた。
亜美という女から直ぐに返信が来たのも意外だったが、待ち合わせ場所を指定していないのに此処へやって来ると言う。
玲子は予想外の成り行きに
「これは面白くなりそうだわ…」
独り言を言った。