堕ちていく二人
玲子は小さく頷いて、頬を赤くした。
この時、玲子はまさに少女時代に戻ったかのような感覚になっていた。
二人は木屋町にあるセントジェームスと言うバ−でカクテルを飲んだ。
鴨川に面したその店はジャズが流れ、蝋燭の明かりがほのかに揺らめいていた。
久しぶりに何杯ものお酒を飲んだ玲子は、酔って甘えるように貴之に寄り添った。
「ねえ貴之君、明日お休みなんでしょう」
「そうだよ」
「玲子今夜帰りたくないの」
「いいのかい?」
「ええ」
「それじゃ、僕のマンションへ来るかい」
「うん、行きたい!」
その夜、玲子と貴之は初めて男女の関係になった。
貴之とのセックスは、一人よがりの桂司のセックスとは比べ物にならないくらい、玲子の心身を燃え上がらせ満足させた。
甘い言葉・丁寧なゼンギ・繊細なテクニック・スポーツで鍛え上げられた肉体は疲れを知らず、何度も玲子を頂点に導いた。
そんな貴之に玲子は夢中になっていった。
(つづく…)