堕ちていく二人


玲子は小さく頷いて、頬を赤くした。
この時、玲子はまさに少女時代に戻ったかのような感覚になっていた。

二人は木屋町にあるセントジェームスと言うバ−でカクテルを飲んだ。

鴨川に面したその店はジャズが流れ、蝋燭の明かりがほのかに揺らめいていた。

久しぶりに何杯ものお酒を飲んだ玲子は、酔って甘えるように貴之に寄り添った。

「ねえ貴之君、明日お休みなんでしょう」

「そうだよ」

「玲子今夜帰りたくないの」

「いいのかい?」

「ええ」

「それじゃ、僕のマンションへ来るかい」

「うん、行きたい!」

その夜、玲子と貴之は初めて男女の関係になった。

貴之とのセックスは、一人よがりの桂司のセックスとは比べ物にならないくらい、玲子の心身を燃え上がらせ満足させた。

甘い言葉・丁寧なゼンギ・繊細なテクニック・スポーツで鍛え上げられた肉体は疲れを知らず、何度も玲子を頂点に導いた。

そんな貴之に玲子は夢中になっていった。


(つづく…)


< 19 / 42 >

この作品をシェア

pagetop