堕ちていく二人
手紙
取り調べでは玲子は黙秘を続けた。
その後の捜査で玲子の自宅マンションのバスル−ムから微量の血液反応が出た。
マンションの防犯カメラには二つの旅行バッグを運ぶ玲子の姿が写っていた。
ホ−ムセンタ−でのこぎりや鉄アレイを玲子が購入していることも分かった。
警察はマンション付近を隈なく捜索し、やがて琵琶湖の底に沈んでいる二つの旅行バッグを発見。
検死の結果、バラバラにされた遺体は玲子の夫である桂司のものであると判明した。
遺体を包んでいたビニール袋やガムテ−プから、玲子の指紋が検出された。
決定的な証拠を突き付けられて、玲子は観念して取り調べ室で泣き崩れた。
刑務所に服役するか死刑になるか、そんな事は玲子にはどうでもよいことだった。
一人残された最愛の息子裕也のことが不憫でならなかった。
玲子は素直に罪を認め、犯行の詳細についても自供した。