堕ちていく二人
「ごめんなさいね。裕也はちょっと人見知りなもんだから」
「気にしてないから。それよりお腹空いただろう。さあ、車に乗って」
玲子と裕也を後部座席に乗せ、貴之は車を走らせた。
「この辺りもずいぶんと変わったな」
回りの景色を見ながら貴之が言った。
「そうでしょう、新しいお店や家が沢山建ったから」
「ところで、お昼は何処で食べる?」
「浜大津のア−カスにしましょうか。あそこならいろんなお店もあるし、カラオケボックスやゲ−ムセンタ−もあるから」
「そうだね。裕也君もいるから食事の後でプリクラでも撮ろうか。裕也君プリクラは知ってるかな」
裕也は相変わらず恥ずかしそうにもじもじしていた。
「貴之君、今日はゆっくり出来るの?」
「時間ならたっぷりとあるよ」
「それじゃ、食事をしてプリクラを撮ったらミシガンに乗ってみない」
「いいよ、琵琶湖の遊覧船だね」