君という存在を
俺が、陽乃とであったのは中2の春。

たまたまおなじクラスで、隣の席になったのがきっかけだった。

「神崎君・・・?」

『え?ああ、何?』

「ふふっ」

名前を呼ばれて笑われた・・・。俺には意味が分からなかった。

『んだよ。』

「神崎君って、すぐぼーっとするよね。」

言われてみればそうだった。俺は、すぐボーっとする癖がある。

『それが、何?』

「いーえ、なんでもー?」

『ぷっ』

その、すねる表情が可笑しくて笑ってしまった。

「ぷっ」

陽乃も笑った。

いつしか、二人でお互いの顔を見ながら大笑いしていた。

「そこの二人!!!!」

『「すいませーん」』

先生に怒られても、痛くなかった。
むしろ、嬉しくなってきた。


「あの二人は付き合っている」


などの噂が流れたが、別に気にはしなかった。

向こうもそうだった。

いつしかその噂どおり、俺らは付き合うことになった。


中2の夏だった。

俺が、陽乃を呼び出して・・・・。

「なあに?話って?」

少し顔を赤らめながらこっちを見ている陽乃。

絶対、何があるか気づいていたはずだ。

『あ、あ、あのさ。お、俺っ!』

「ぷっ・・・。あたしも、好きだよ。」

『何で、知ってんの?』

「だって、大体予測はつくでしょ??」

少し、ショックと思いながらも、俺は告白を続けた。

『俺と、、、つっ付き合ってくださいっ!』

「よろこんで!」

そのまま、不意に二人の唇はかさなった。

暑い熱い夏のことだった。
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