殺し屋:黒兎
【汐音】

「遊里は全て恵まれた!!なのに私は…!!なんで、なんで私だけが…!!」

「落ち着いてください遊紀さま。もうすぐ黒兎がやってきます。」

「…はぁ…はぁ…。黒兎…。遊里の、大切な…。ふふふ…。」


遊紀さまは不気味に笑いながら椅子に座る。


「楽しみです…。いったい、どんな人間なのでしょう…。うふふふふ…。」


笑い続ける遊紀さま。


楽しみ、ね…。


その気持ちは私にもあった。


夜嘉兄様が育て、殺し屋にしたという黒兎。


兄様が自ら、捕まえた黒兎を助けに来るという執着心。


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