殺し屋:黒兎
でも、肝心なのはその後。
ここがどこかも分からないのに、どうやって抜け出そう……。
「……姫さん、慌てても仕方ないよ?満を持して、時を待つんだ。」
「その言い方は……まるで、私に逃げて欲しいみたいな言い方ね?」
「……僕的には逃げてもらっても構わないけどね?だって、僕は汐音の部下。恋ちゃんたちと同じで、Valkyrieじゃないから。ここがどこかとか、ポロッと言っちゃうかもね。」
「………参考までに聞かせてもらうわ。」
本当に喋ってくれるのかしら?
ハルカは不敵に笑うと、この場所について話しはじめた。
「……ここはね、双家山(フタケヤマ)って山だよ。場所は市内で誰も寄り付かない土地の奥の私有地。山には様々な仕掛けがしてあるんだ。」