殺し屋:黒兎
「出来ないことじゃない。恋がしたいなら俺は協力する。俺はいつでも、恋の味方だ!」
「……出来ないよ…。汐音を裏切るなんて、絶対に…」
「この世に絶対なんて言葉はない!運命は、変えられる。」
「………クス。玲ってば、熱くなってる……。恋のこと、心配してくれてるの…?」
玲の優しさに、恋は思わず笑った。
兄弟の絆を、恋が感じた瞬間だった。
「当たり前だろ。俺は恋の兄ちゃんなんだから。」
「あはは……兄ちゃんったって、数秒早くお母さんから出てきただけじゃん……。」
「いーんだよっ!」
「……そう、だね。……玲がお兄ちゃんで、よかったよ。」
久しぶりの、笑顔。
本当の、心からの、優しい恋の笑顔。