殺し屋:黒兎

思いっきり葵を睨んだ。


その威圧感に、葵は黙った。


鉄格子を叩き大きな音が出たが、運が良かったのか警報は鳴らなかった。


「葵……。ごめん……。」

「……何を謝っているの?」

「恋ね、葵のこと大好き…。今までにいなかったの、媚を売らないお友達。だから、葵とは本当の友達になりたかったの……。」

「………」

「でもね……できなかったの……。汐音を、裏切るなんて、出来なかった……!!恋達を救ってくれたのが、汐音だった、から……ッ!」


恋の目に涙が溜まる。


今にも零れ落ちそうな量だった。


「でも玲に言われて分かった……!恋には、葵がいなきゃダメ!!まだ会って間もないのに、こんな風に思えたの……。」

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