殺し屋:黒兎

「ヒント?」

「そう。彼は小鳥を飲み込む漆黒の闇に光を当てる月。…彼が見たら、漆黒の闇なんてすぐに明るくなるわ。…分かった?」

「…余計にわかんないよ。」

「……クス、そうよね。…私でさえも、彼の存在は良く分からないもの…。」


恋たちと話している間に、月はもう真上に上がってしまっていた。


「ほら、もう部屋に帰りなさい。眠いんでしょ?」

「…うん…。玲、帰ろうか。」

「お?おう。なんだ、もう話は終わったのか。」


二人が部屋を出て行った後。


完全に気配が消えたのを確認してベッドから降りた。


そして、ベッド脇にある棚の引き出しの一番上…。


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