【完】笑顔
「祐ちゃんなにしてるの?早く行こうよ♪」
『おう。』
長い髪をゆらす瑞姫。
春の風で髪がなびく。
今すぐにでも…抱きたい。俺はそれをぐっとこらえた。

あっという間に俺たちの通う高校に着いた。
俺たちは同じクラスの1−2。
そして隣の席だ。

机に鞄をおいた時…
「みーずき!!」
「萌ちゃん!!」
萌とは、瑞姫の親友の結城萌<ゆうきもえ>のことだ。
結城は瑞姫LOVE。
「おはよぉ★」
「おはよ!重いよぉー!」
瑞姫にずっと抱きついている結城に嫉妬する俺。
女に嫉妬って…。
どれだけ好きなんだよ俺は…。
「ゴメンゴメン♪」
そう言って瑞姫から離れた結城。
結城は俺のほうを向いてペロッと舌をだした。
こいつ…わざとか。
結城は、俺が瑞姫のことが好きなのを知っている。
そんな俺は、結城にからかわれるのが日常だ。
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