地味男子
「なんですか?」

「そんなきっつい顔しないでよー! 俺、女の子にそんな顔されるの初めてだ。」

「そうですか。」



 ウザい。


 香水臭い。


「何怒ってるのー? 嫌なことでもあった?」

「いいえ。いいことありましたけど、台無しです。」


 あいつに対する反抗のつもりだったのに、

「えー? 悩み聞くよー?」


 あなたが悩みの根源ですって感じ。


「先生きちゃうよ? 前向いてなよ」

「まだ来ないって。」


 どこからそんな情報を得るんですか?


 私は彼としゃべりたいのに!!


 珍しく起きてるし…。


「ねぇ、潤君。」

「ん? …潤君って初めて言われた…。」

「えっ? 嫌だった?」

「別に。 好きな風に呼んでっていったの俺だし。」

「そっか」


 さすが潤君。


 蒼井の入れる隙なんかないだろ!!


 そう思いながらちらっと蒼井を見るとすごい顔で潤君をにらんでる。


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