地味男子
 ブツブツ言いながら席に戻るとまたあいつが話しかけてきた。


「ねぇ、今日の放課後ちょっといい?」

「…いいですけど…」


 用事だけ聞いたらさっさと帰ろう。


 祐磨には遅れるメールを送って放課後を待った。



「柴乃ちゃん」

「…」


 放課後、あいつがやってきた。


 さっさと用事言ってよ。


「俺ね? 柴乃ちゃんのことが好きなんだっ!! 付き合ってくれない?」

「は?? どこにですか」


 好き?

 知ったことじゃない。


 付き合うってどこに?


「そっか。 柴乃ちゃんって天然だったんだ?」

「天然? 知らないですよ」

「ま、なんでもいいけど。 俺と恋人同士になって?」

「無理」


 まさか言われると思ってなかったけどハッキリと断る。


「こっちが無理だよ」


 そう言うとあたしに急激に近づいて無理矢理キスされた。


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