地味男子
「柴乃ってさ料理できたんだ?」

「できるよ!!　バカにしてるの?」


　少し向きになって答えた。


　潤君はクスッと笑うとあたしの頭に手を置いてなでなでした。


「しないよ」


　そう答えながら。



　前髪の奥の方で光る二重の目に魅かれるあたしは放心状態。



「////」

「何?　食わないの?」

「食べるよ!!」

「ふーん?」



　お弁当を食べ終わると潤君は眠たいらしくさっきからずっとあくびをしてる。


「眠たいの?」

「ちょっとな……膝貸して?」

「えっ!?」


　返事をする前にあたしの太ももの上にのってきた潤君の頭。



　この人といるとドキドキが止まらないよ。



　その上潤君は何も知らずすぐに寝ちゃったし。




　静かな寝息を立てる潤君の前髪を上にあげて見る。



　すごくきれいな顔をしている。



　白めの肌に通った鼻筋…。



　
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表紙・目次

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